こんにちは、
サンハートスタッフのみゆみゆです(^^)
前回は「カルメン」という、自由を愛し、
情熱的で魅惑的な女性が主人公のオペラについて書かせていただきました!
今回はカルメンとは打って変わって、
とても純粋で一途な、大和撫子が主役のオペラをご紹介します♪
(毎回カルメンのような女性ばかりじゃハラハラしちゃいますよね)
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第2回目のテーマは、ジャコモ・プッチーニ作曲《蝶々夫人》です!
言わずと知れた、日本を題材にしたこのオペラ。
カルメンと同様、作曲者は舞台となった国を訪れたことがなく、プッチーニは当時、
日本大使館の方に頻繁にお話を聞きに行ったり、日本の音楽を研究したりと、
あらゆる勉強をしたそうですよ(゜0゜)
舞台は1895年頃の日本・長崎。
アメリカ海軍士官のピンカートンが、日本人の結婚仲介人、ゴローの斡旋により
蝶々さんという女性を現地妻として迎えます。
「恋なんて所詮ひと時のもの。異国の地でも、その一瞬を楽しむのがアメリカ男だぜ♪」
なんてことを言うピンカートンを、アメリカ領事のシャープレスが「いつか悔いることになるぞ」と
咎めますが、当の本人はまったく気にしていない様子。。
そんなやり取りをしていると、蝶々さんが親族と共にやってきます。
蝶々さんはピンカートンに、自分の父は武士だったものの、家は没落し、
自分は芸者に身を落としてしまったこと、しかしあなたというお方に選ばれ、
大変幸せ者だということ、さらにピンカートンの信ずるものを自分もともにしたいので、
キリスト教へ改宗したということを伝えます。
そして「これは父が切腹に使ったもの。『恥に生きるより、名誉を持って死すべき』というのが、武士であった父の教えでした。」と、持ってきた短刀を見せます。。
結婚の儀式が終わりを迎えたころ、蝶々さんの叔父である僧侶のボンゾが、
その場に乗り込み、彼女の改宗に激昂しました。
他の親族たちもそれを聞き、なんて罰当たりなんだ、
もう縁切りだと、蝶々さんのもとを去っていきます。
嘆き悲しむ蝶々さんを優しくなぐさめたのは夫のピンカートン。
もう蝶々さんが頼りにできるのは、彼だけでした。
2人が結ばれてから3年後――
結婚してすぐに日本での任務を終え、アメリカに帰ってしまったピンカートンを
蝶々さんは毎日待ち続けています。
「旦那さま、もう帰ってこない気なんじゃないですか?」
健気すぎる彼女を見かねて、女中のスズキは言います。
「いいえ、あの人は帰ってくるわ。ある晴れた日に、きっと帰ってくる。」
ここで歌われるのが、このオペラの代名詞とも言える名曲「ある晴れた日に」です。
この曲、スズキに向けて歌っているように見えて、
同時に蝶々さんが自分自身に言い聞かせているんですよね。せつない(;_;)。。。
そんな折、シャープレスが、ピンカートンから蝶々さんへの手紙を持って現れます。
ピンカートンは本国でアメリカ人の女性と結婚し、蝶々さんの元へ帰ることはない、
という内容の手紙を読んで聞かせなければいけないのですが、
彼からの手紙に無邪気に喜ぶ蝶々さんの姿を見ると、言い出すことはできません。
ゴローから紹介された、ヤマドリ公という金持ちからの求婚にも
一切取り合わない蝶々さん。
シャープレスは、もし夫が帰ってこなければどうするつもりかと問います。
「その時は芸者に戻るか死ぬかしか道はありません。
しかし、芸者に戻り、我が子の恥になるよりだったら、私は死を選ぶでしょう。」
実は蝶々さんとピンカートンの間には、3歳になる子どもがいたのです。。
シャープレスがえも言われぬ気持ちで蝶々さんのもとを去って行った時、
海から、アメリカの軍艦が入港する合図の砲声が鳴り響きました。
ピンカートンの乗る軍艦を確認した蝶々さんは喜びます。
部屋中に庭の花を敷き詰め、子どもに盛装をさせ、
ピンカートンの帰りを今か今かと待ちわびる蝶々さん。
しかし一晩たっても、夫が帰ってくることはありませんでした。
寝ずに夫を待ち続け憔悴しきった蝶々さんに、女中のスズキは休むようにと伝えます。
程なくして、現在の妻であるケイトと共に現れたピンカートンは、
スズキから蝶々さんの様子を聞き、後悔の念に駆られ、
いたたまれなくなってその場を去っていきました。
ピンカートンに会えると思い皆の前に現れた蝶々さんは、
目の前の状況とアメリカ人女性を見て、すべてを悟った上で、礼儀正しくケイトに挨拶をしました。
「子どもを渡してくれれば、ピンカートン夫妻が大切に養育してくれるそうだ」
というシャープレスの言葉に、絶望を感じながらも了承する蝶々さん。
しばらく一人になりたいと部屋にこもり、
父の形見である短刀を取り出します。
何も分からず駆け込んできた我が子を強く抱きしめると、
目隠しをさせ、アメリカの国旗を持たせました。
そして父の教え通り、自らの喉に短刀を向けたのでした。
ピンカートンとシャープレスが駆けつけた時すでに遅く、
名誉のために命を絶った女性の物語は幕を閉じます。
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「ある晴れた日に、海から一筋の煙が見えて、
あの人の船が港に着くわ。
そして丘を登ってこちらにやってきて、遠くから
『蝶々さん』と私を呼ぶの」
蝶々夫人の最も有名で美しく、そして悲しいアリア
「ある晴れた日に」の歌詞の一部です。
愛する夫のことを信じることしかできない蝶々さんの空想が歌われています。
希望に満ちた歌詞であるだけに、せつなくなってしまいますよね(. . )…
オペラのシーンを思い浮かべながら、蝶々夫人の世界観に浸ってみてくださいね!
サンハートスタッフ
みゆみゆ
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